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フラットランド 二次元の世界

フラットランド 二次元の世界

フラットランド、それは高さのない世界。

タテとヨコはあるけど高さがない。つまり2次元の世界(時間は流れている)。

高さがないのに、住人(というか物?)が普通に生活している。
生活しているどころか身分制度まである。

一番偉い聖職者は、専門職は正方形、中産階級は正三角形
残念ながら【女性】はすべて身分が低い直線である。

高さがない=上から見ることができないのになぜがわかるか
というと、奥行がどれくらいあるかで微妙に線の見え方(光り方)が違うのを
手がかりに区別するらしい。

そんな2次元世界で生きる正方形の男が主人公。
ある日、男の前に3次元世界から訪問者が現れる。

訪問者は「球」

現れるといっても「通過」するだけである。
2次元世界の男にとって「球」
が大きさを変えているようにしか見えない。

ところが男は、何度も通過を見せられてるうちに、
「高さ」の概念を理解するようになった。

2次元世界を俯瞰する鳥の眼を持ってしまった男、
その運命やいかに?

こうしてあらすじを書いてるだけでスリリングではないか。
近所のビブリオバトルでチャンピオンが紹介してただけのことはある。

この本が1884年に書かれたというからまたスゴい。
女性描写が差別的なのも当時の社会背景を表している。

最近の物理本によると宇宙は10次元ということでさらにブッ飛んでるのだが、
少なくとも3次元世界に生きるわれわれが、より高い次元から
のぞかれている可能性があるということだ。

大きさや形がなめらかに変わっていくヤツがいたら要注意。
そいつは高次元からの刺客かもしれん。

法医学のミステリー

法医学のミステリー

飛行機の中で医者が金持ちそうな乗客を物色している。

「あなた、顔色がすぐれませんね。こういう症状はないですか?」

「それはがんの疑いがありますね。なあに心配はいらない。
今はがんでも早く見つかれば注射で治る時代ですよ。
私の病院にいらっしゃい。」

後日、型どおりの検査を受けた金持ちは言われた。

「やはりがんでした。でも幸い早期だったので2週間も入院すれば治りますよ。」

金持ちは医者にいたく感謝したという・・・

『がん放置療法のすすめ』というのが流行っているらしいが、
30年近く前からこういう小噺があったということは、昔から
医者はよけいなことしかしないと思われていたのだろう。

この本は法医学者が書いたエッセイ集で、
変死体やら親子鑑定やら処女鑑定やら、法医学にまつわるゴシップが続くのだが、
後半は冤罪事件が生まれる構図をシリアスに分析している。

下山事件、八海事件、加藤老事件…

歴史に残る未解決事件、冤罪事件は、法医学者が警察のいいなりの証言を
してしまったことが少なからず影響しているという。

自らも法医学者である著者は、再発防止のための提言までしている。

それは、刑事事件専門の監察組織を作り、捜査権限を持たせること。
被告の人生を左右するような決定を、個人でしてはいけない、ということだ。

大きな組織よりもたった一人の神の手を信じたいのも心情ではあるが、
三人寄ればなんとか、大事なことは一人で決めちゃいけないってことかな。

フランクリン自伝

フランクリン自伝 (岩波文庫)

「いろいろ大変やったけど、マジメに生きてればなんかええことあるわ」

今年で73歳になるおかんが上京して瀬戸内寂聴ばりの格言を残して帰っていった。
3人の男子を育てながらリウマチで二度手術を受けた人の言葉には妙に重みがある。

で、格言と言えば、フランクリンである。

フランクリンはアメリカの独立宣言を起草した人物。
100ドル紙幣の肖像画で見たことある人も多いだろう。
凧にカミナリを落とした実験でも有名。

実はこの人、格言入りカレンダーの考案者でもあるのだ。
そう、実家のトイレにある、あれだ。

フランクリンは幼い頃印刷所の見習いを始め10代で家出、
ハタチそこそこで独立して印刷所を開業、新聞や公文書、紙幣などの印刷でをなした。

中でも一番儲かったのが格言入りカレンダーというから、
現代まで続く【ビジネス】モデルを確立した人と言えるのだ。

この自伝もさながら格言のデパート、ラストはある老人が
カレンダー格言をつなげて若者を諭す大喜利で締めくくられている。

【アメリカ】版二宮金次郎か?と思わせる説教臭さだが、
イギリスからの独立を勝ち取っただけに説得力がある。

フランクリンは何か実現したいことがあると、
すぐさま論点整理ソリューションを記した文書を印刷して配布した。
今で言えばソーシャルメディアの戦法である。

そのスキル行動力が歴史を変えたということか。

で、おかんである。

リウマチでしんどいときにどうして前向きにいられたのかと聞いてみると、
珍しく目をうるわせておかんは答えた。

「人にかわいそうに思われるんがイヤやねん」

ノー天気やからなぁ、ぐらいののんびりした答えを期待してた自分はハッと気づかされた。

何かをなしとげるのに必要なのは、スキル性格じゃなくて、
まして格言でもなくて、まず気概なんだ。

おかん、偉大なり。

種の起源

種の起源 (光文社古典新訳文庫)種の起源 (光文社古典新訳文庫)
(2009/09/08)
チャールズ ダーウィン

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別の記事でダーウィンをただのボンボンと評してしまったが、
「種の起源」を読んで深く反省

いやー、【進化】論スゴすぎ。

エビとカニが似てるわけ

クジャクの羽根のデザインが派手なだけで何の機能もないわけ

人類がホモ・サピエンスしか生き残らなかったわけ

ユーラシア大陸で生まれた人種が世界を支配しているわけ

素朴な疑問はすべてダーウィン様が解決済みですわ。

締めくくりの言葉がまたシブい。

『自然の闘争から、飢餓と死から、われわれにとってはもっとも
高貴な目的と思える高等動物の誕生が、直接の結果としてもたらされるのだ。
この生命観には荘厳さがある。』

こらあかん、「ダーウィンが来た!」観て泣いてまうわ。

ダーウィンと進化論 -その生涯と思想をたどる-

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(2009/01/31)
Kristan Lawson

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娘が「ダーウィンが来た!」にハマったせいで我が家のハードディスクは
ダーウィンライブラリと化しているわけで…

ムツゴロウさん千石さんも使わず視聴率がとれる動物番組はテレビ史上初(たぶん)。
ともかく我が家ではダーウィンといえばテレビ番組になってしまったわけだが、
ダーウィンといえばやはり「進化論」である。

ダーウィンの本来の姿に戻ろう、と本書を開いてみたのだが、
また新しいダーウィン像ができてしまった。

そのダーウィン像とは、おたくのボンボンである。

まず、ダーウィンは進化論を思いついた人ではない。
生き物が【進化】してきたという説は古代ギリシャ時代からあって、
ダーウィンの時代には隠れ支持者も多かった(ダーウィンのおじいちゃんもその一人)。

さらに、ダーウィンはガラパゴス諸島にはあんまり関心がなかった。
イグアナフィンチを観察して「進化論」をひらめいたと思いきや、
ダーウィンはガラパゴスにチョロっとしか寄ってないし、
「種の起源」でも軽く触れてる程度なのだ。

そしてダーウィンは生涯ほぼ無職だった。

医者の御曹司で食いぶちの心配がなく、好きなだけ生き物採集ができた。
ガラパゴスへの探検費用もすべてパパ持ちである。
(イギリス海軍の測量船にお金を出して便乗させてもらった)

立派なヒゲをたくわえて学者然としているが、
趣味の延長で生き物を集めてただけなのだ。

あれれ?聖書を否定する大発見をしたんじゃなかったっけ?

実は彼のすごいところは、進化論を発見したことではなくて、
オタク作業で集めた膨大な生き物ネタを、きちんと体系立てて
一冊の書物にまとめたことなのだ。
(そういう意味で本職はサイエンスライター

その書物、「種の起源」のメッセージはとてもシンプル。
ヒトは飼い犬や農作物の品種改良ができるのだから、
自然界でも同じことが起こっているはずだというもの。

天地創造と矛盾するということで反論されるのが恐くて、
ネチネチ証拠固めをしていたら思いのかほか大作になってしまった。

1800年代ともなれば聖書に書いてあることが事実じゃないことは
みんな薄々感づいてたわけで、それをハッキリと、しかも完膚ない形で言っちゃった。

プロレス的なお約束で「種の起源」は大騒ぎを巻き起こしたわけだが、
永遠のおたく少年ダーウィンは、人前には出ず引き込もり生活を続けた。

亡くなった後も郊外にひっそり埋葬してもらいたがったが、
名前が売れすぎてたので国葬にされてしまった。

埋葬場所はウェスト・ミンスター寺院
我らがスーパースター、【ニュートン】と同じ場所である。

さすが大英帝国、懐が深いというか、おたくに優しいというか。
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Author:shokomotsu
無意味つづり>書庫モツ連鎖

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