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スポーツ解体新書

スポーツ解体新書 (朝日文庫)スポーツ解体新書 (朝日文庫)
(2006/11)
玉木 正之

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中学時代の軟式テニス部。

入部して最初に教わったのは、2年生の先輩を「くん」付け、
3年生以上の先輩を「さん」付けで呼ぶという奇妙な決まりだった。

最初の数ヶ月間はボールを打たせてもらえない。
「型」と称する珍妙なポーズを1時間近くとらせられて、
少しでも動くとラケットでこずかれる。

練習が終わると先輩の下に駆け寄って「注意お願いします!」と頭を下げる。
先輩からお言葉をいただいたら「ありやした!」とまた頭を下げる。

こんなアホらしい指導を受けながらも、どういうわけか私たちの学年は強くなり、
3年生の最後には県大会で入賞するまでになった。

えらいもので、いくつかの高校からスポーツ推薦の話が来た。
同期の一人はその話に乗って私立高にスポーツ進学し、
卒業後はテニスボールメーカーに就職してプレーを続けた…。

本書を読みながら自分の部活体験を思い出してみると、
日本のスポーツの特徴が見事にあらわれていることがわかった。

日本のスポーツは、余暇を楽しむ娯楽としてではなく、
学校で教える体育として発展してきたらしい。

バカバカしい上下関係を守らなければならないのは、
部活が【教育】の場で行われているからだ。
強い者が偉いというスポーツの考え方を目立たなくするために、
目上の者を敬うという道徳観が持ち込まれたというわけだ。

学校スポーツとセットで発展したのが「企業スポーツ」
部活は現役の学生しか参加できないから、卒業後のプレー場所が必要になる。
そこで選手を企業に就職させて、その企業のチームでプレーさせる。

企業スポーツの選手は厳密には【プロ】ではない。
プレーの対価として報酬をもらっているわけではなくて、
普通の社員と同じように給料をもらっているからだ。

本書では、日本のプロ野球も企業スポーツの一種だとして断罪されている。
選手たちは年俸をもらって野球をするのが仕事だが、
実質的にオーナー会社という一企業の利益のために働かされているからだという。

Jリーグ発足した当初、「読売ヴェルディ」という名前を
東京ヴェルディ」に変えるべきだという話でモメていた。

どっちでも変わんないのに、と当時は冷めて見ていたが、
あのこだわりは、スポーツを企業から地域に取り戻そうという
強い決意のあらわれだったんだなあと実感する。

『スポーツは、【芸術】と同じように、個人の身体表現であるべきだ。』

著者の理想とするスポーツが日本で実現すれば、日本選手がお揃いの
赤ジャケットで行進するオリンピックは過去の遺物になるのだろう。
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