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謀殺 下山事件

謀殺 下山事件 (祥伝社文庫)謀殺 下山事件 (祥伝社文庫)
(2009/06/12)
矢田 喜美雄

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既視感がある。60年以上前に起こった事件なのに。

1949年、連合軍による占領下の日本。国鉄常磐線の線路上で男性の轢死体が発見された。
身元確認の結果、前日から行方不明になっていた初代国鉄総裁、下山氏の遺体だと判明した。

折しも、連合軍の指示の下、10万人の国鉄社員の解雇が発表されたばかりだった。

司法解剖を行ったのは東大医学部法医学教室。毒物と死亡時刻の検討は東大薬学部の裁判化学教室も参加した。

結果は、死後轢断。つまり、総裁は何らかの理由で死亡した後に列車に轢かれたというものだった。

ところが、この鑑定結果に対して批判の声があがる。しかも、その声は同業者たる法医学者たちからのものだった。

学界の重鎮とされる学者が、新聞などの【メディア】で次々に生体轢断説を展開する。

そのほとんどは、断片的な情報から思いつくところを述べただけで、解剖や現場検証の原資料を総合的に判断したものではなかった。

中でも東大批判の急先鋒となった名古屋大の教授は、「新聞報道を見ていて黙っていられなくなった」とその安易な動機を語っている。

かくして、論争の渦中にある学者たちが国会に呼ばれるという事態に発展した。原資料もなく、専門家もいない中で議論が深まるはずもなく、目立ちたがり屋のパフォーマンスの場に終わった。

【学者】たちがバラバラに行動して、ひとつの結論にまとまれない様子、
組織としての意思決定と、個人の感想レベルの言説が一緒くたになる様子、
【複雑】【不確実】であるはずの全体象が、単純でわかりやすい論点に埋没していく様子。

似たようなことがリアルタイムで起こっている気がしてぞっとした。
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