魚は痛みを感じるか?
魚は痛みを感じるか? (2012/02/02) ヴィクトリア・ブレイスウェイト 商品詳細を見る |
居酒屋「座魚」は、店内のイケスで釣りを楽しむことができる。
もちろん釣った魚はその場でいただくことも可能だ。
あるとき釣り名人と一緒にこの店に行った。
その名人はカレイ釣りの全国大会?に出るほどの腕前だ。
さぞ入れ食いなんだろうなと思いきや、名人は一匹も釣り上げることができなかった。
周りでは素人がガンガン釣り上げているのにだ。
名人は
「ここの魚はスレてる」
とだけ言って寂しそうに刺身を注文していた。
たかが魚釣りと言っても奥深いものだなあと妙に感心してしまったものだ。
『魚は痛みを感じない』
昔からまことしやかに伝えられてきたこの俗説を、大真面目に検証するのが本書の目的だ。
痛みを感知する神経があるか?という問いであれば答えは単純。
魚はもちろん、カタツムリやイソギンチャクでも痛みを知覚することができるらしい。
そうでないと自然界で【生存】することは難しいだろう。
しかし、魚が痛みを「感じる」のかというと話はややこしくなる。
魚が感じている痛みは、私たちヒトが感じている「痛み」と同じなのだろうか?
本書には「魚の福祉」という言葉も登場する。
動物に福祉もクソもあるかと笑い飛ばしたくもなるが、
牛や豚、鶏などの飼育にはすでに福祉が考慮されていて、
肉質もよくなり生産性も向上しているそうだ。
件の釣り名人に「魚は痛みを感じるんですかね?」
と聞いてみると、次のような答えが返ってきた。
「痛みを感じるかどうかはわからないけど、頭がいいことは確かだ。」
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