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フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
(2006/05)
サイモン シン

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ゼロを発見したのはインド人だと言われる。

本書によると、負の数を発見したのもインド人だというから恐るべしだ。
数学への貢献ではイスラム圏も負けてはいない。インド数字を元に彼らが作り出したアラビア数字は、
今や全世界の共通語になっている。

インドイスラムの国々で数学が華開いていた頃、ヨーロッパの数学は長い暗黒時代の只中にあった。
権力者が数学を異端として迫害した結果、学問の中心たる地位を周辺地域に奪われてしまったのだ。

そんな暗黒時代に突如現れたスーパースター(というよりトリックスター)、それが本書の主人公フェルマーだ。
彼は同時代に出版された古代ギリシャ数学の古典を読みふけり、新たな証明や考察を加えていった。

彼のとったスタイルは、思いついたことを書物の余白にメモしていくことだった。
その余白メモの中にピタゴラスの定理に関するものがあった。

直角三角形の直角を挟む二辺を2乗して合計すると、斜辺の2乗に等しい

この定理はピタゴラスによって二千年近く前に証明されていた。
そこでフェルマーは、この定理を少しだけイジってみた。
その変形版ピタゴラスの定理こそが、三百年以上にわたって人類を悩まし続ける、フェルマーの最終定理である。

謎かけが大好きな彼の余白メモにはこう記されていた。
『私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない』

フェルマーの最終定理を証明しようと、数々の数学者が挑み、敗れていった。
その敗北は決して無駄ではなく、後に続く挑戦者に重要な手がかりを与えるものだった。

数学という純粋学問に捧げた【学者】たちの人生は、その対極ともいえる政治や【権力】に少なからず翻弄された。
天才数学者ガロアの生涯は特に悲劇的だ。
彼は、12歳で初めて学校に通い、その6年後には5次方程式の解き方を見出していたという。
しかし天才ゆえの奇行と激しい気性で学術会から見放され、次第に政治活動に傾倒してしまう。
100年先の数学理論を確立したとも言われる少年は、二十歳そこそこで失意の最期を遂げた。
ちなみに彼の生きた時代と場所は、レ・ミゼラブルに描かれた激動のパリである。

数学は、絶対的真実が存在する唯一の学問だ。
誤差や【不確実性】なるものは純粋数学には存在しない。ひとたび証明された定理は、永遠に真である。
数学者は怒るかもしれないが、学問の中では最も【芸術】に近いといえるだろう。

地球外生命体を探索するための電波には、素数が使われているという。
何億年か先、どこかの星でこの電波を受け取るかもしれない知的生命体。
その中に謎かけ好きの数学者がいたとすれば、どんなを返してくれるのだろうか。
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