オペラ座の怪人

オペラ座の怪人 (角川文庫)オペラ座の怪人 (角川文庫)
(2000/02)
ガストン ルルー

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-パリのオペラ座の地下には怪人が住んでいるらしい-
ミュージカルや映画でおなじみの「オペラ座の怪人」の元になった小説。

『偉大な音楽家はだれでも、少なくとも一生に一度、<音楽の天使>の訪問を受ける』
オペラ座の歌手クリスティーヌは、幼いころ父親からそう聞かされていた。
父親は彼女に約束した。『お父さんが天国へ行ったら、<音楽の天使>をおまえのところへつかわしてやる』

父親を亡くした彼女は、ある日オペラ座の楽屋で、約束どおり<音楽の天使>の声を聞いた。
その後毎日のように<音楽の天使>のレッスンを受けた彼女は、『ファウスト』の少女マルガレーテを代役で演じることになる。果たして彼女は、その汚れない清らかな歌声で、満場の聴衆を魅了したのだった。

【芸術】の世界で天才と呼ばれる人は、誰しもこのような<天使>と出会っているのかもしれない。
小説の前半は<音楽の天使>をめぐる父と娘、怪人とクリスティーヌの関係が、美しい音楽の調べとともにつづられる。

しかし、後半からだんだんと怪人のサイコっぷりが明らかになり、美しい物語というより怪奇小説的な雰囲気になる。
鏡張りの六角形の拷問部屋の描写などは江戸川乱歩のようである。

クリスティーヌも小説ではかなりドライな性格で、二枚舌で男を翻弄したりする。

というわけで、ミュージカルや映画で描かれる美しくも悲しいラブストーリーをイメージして読むと、少々興ざめするかもしれない。

この小説は、著者がオペラ座で起こった数々の怪事件の調査をして、それを報告するという形をとっている。
もう一つの文庫は創元推理文庫から出されていて、なるほど推理小説として読むのがいいのかもしれない。
パリに地下都市が実在することを考えると、著者も怪談話として書いたのかもしれない。
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