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法医学のミステリー

法医学のミステリー

飛行機の中で医者が金持ちそうな乗客を物色している。

「あなた、顔色がすぐれませんね。こういう症状はないですか?」

「それはがんの疑いがありますね。なあに心配はいらない。
今はがんでも早く見つかれば注射で治る時代ですよ。
私の病院にいらっしゃい。」

後日、型どおりの検査を受けた金持ちは言われた。

「やはりがんでした。でも幸い早期だったので2週間も入院すれば治りますよ。」

金持ちは医者にいたく感謝したという・・・

『がん放置療法のすすめ』というのが流行っているらしいが、
30年近く前からこういう小噺があったということは、昔から
医者はよけいなことしかしないと思われていたのだろう。

この本は法医学者が書いたエッセイ集で、
変死体やら親子鑑定やら処女鑑定やら、法医学にまつわるゴシップが続くのだが、
後半は冤罪事件が生まれる構図をシリアスに分析している。

下山事件、八海事件、加藤老事件…

歴史に残る未解決事件、冤罪事件は、法医学者が警察のいいなりの証言を
してしまったことが少なからず影響しているという。

自らも法医学者である著者は、再発防止のための提言までしている。

それは、刑事事件専門の監察組織を作り、捜査権限を持たせること。
被告の人生を左右するような決定を、個人でしてはいけない、ということだ。

大きな組織よりもたった一人の神の手を信じたいのも心情ではあるが、
三人寄ればなんとか、大事なことは一人で決めちゃいけないってことかな。
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Author:shokomotsu
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