凍 (新潮文庫)凍 (新潮文庫)
(2008/10/28)
沢木 耕太郎

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ミスター&ミシズ・ストイック

シェルパなし、酸素ボンベなし、ベースキャンプを出たら誰の助けも借りない。
ただ登って、降りてくる。

このアルパイン・スタイルで世界を席巻する山野井泰史・妙子夫妻。

エベレストには興味がない。あそこは「登らせ屋」に登らせてもらうとこらしい。
七大陸最高峰も眼中にない。制覇できることは誰かが証明済みだから。

彼らが目指すのは、美しく、誰も寄せつけない山(というより)。

垂直に近い氷の壁に10センチの棚を作ってビバーク。
丸2日眠らずに登り続けることもざら。

妙子は手足の指の18本を凍傷で失った。
それでも全く動じないものだから、同じ病院にいたヤクザがリスペクトに来た。
小指一本で大騒ぎしてるのが恥ずかしいと。

そんな体で妙子はまだ登り続けている。

普段は奥多摩の古民家でつつましく暮らす。
ヒマラヤ登山の予算は二人で150万円
某老人をエベレストに登頂させるのに1億以上かかったという話と比べると破格。
スポンサーもいらない。登山用具メーカーのアドバイザー契約だけ。

『やっぱり山が好き』

それだけの理由でを追い続ける二人。
大変失礼ながら、どうかしてるとしか言いようがないのだが、
ノンフィクション作家の手にかかるとやはりかっこいい
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ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い

ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘いブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い
(2009/10/08)
レオナルド・サスキンド

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地球をサクランボくらいの大きさまでギューと縮めたら
ブラックホールになるんだって。

めちゃめちゃ重くて小さい粒みたいな感じ?
ブラックホールって言うけどじゃないよね。

そこに吸い込まれる(吸い付かれる?)と二度と出れなくなるから気をつけて。
光のスピードでも脱出不可能なんだ。

でもある科学者がトンデモな仮説を出したんだって。

ブラックホールはだんだん縮んでいって最後には蒸発するっていうんだ。
中のものは?バラバラに飛び散りそうだね。

この科学者、あの車椅子の天才、スティーブン・ホーキング

重力でガッチガチのブラックホールが蒸発してバラバラになる?
そんなのにわかには信じられないよね。

もっとトンデモだったのは、ブラックホールで「情報」までなくなってしまうと言い出したことなんだ。
「情報」っていうのはエントロピー、物がとりうる状態のバリエーションのこと。

これに待ったをかけたのがサスキンドたち。
「情報」がなくなっちゃうっていうのは、物理の法則を根底からひっくり返す
言語同断な話だったんだって。

バトルは何年も続いて最後にはついにホーキングが降参
ホーキングに白旗をあげさせたサスキンドたちの説は、

「情報」はブラックホールでなくなるし、なくならない。

っていうこれまたトンデモな理論だったんだ。
量子論ってやっぱり難しいね。



【カラー版】アヘン王国潜入記

【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫)【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫)
(2014/06/05)
高野秀行

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ケシからアヘンが採れて、アヘンを精製するとヘロインになる。

ヘロインになるとベラボウな値段で売れるらしい。

日本では(ていうか世界中どこでも)、ケシを栽培することは違法である。
そういえば昔、近所の空き地にケシが生えてたって大騒ぎになったっけ。

そんな非合法植物をごく普通に生活の糧として栽培している村があった。

ゴールデントライアングル

ミャンマー、タイ、【中国】の境界付近にあると言われる、世界一の麻薬生産エリアだ。

そこに半年も滞在して、村人たちと寝食を共にした風変わりな日本人がいた。

ケシの種まき、毎日の草取り、液汁の収穫、アヘンの加工、そしてごほうびの吸引まで、
さながら職業訓練のように体験した記録が本書なのだ。

こんなことまで書いて逮捕されないのかな、と心配になるほどヤバい内容。
でも逆に捜査当局から講演依頼が来たというからえらいもんだ。

村人たちが手間ひまかけて収穫したアヘンの半分は軍に召し上げられる。
著者が滞在した半年の間に紛争病気で何人もの村人が亡くなった。
でも結婚し、子どもが生まれ、また誰かが死に
その度ごとに村人たちは集まり飲んだくれている(アヘンをやる人は意外に少ない)。

まさに悲喜こもごも。読後感はほのぼのとしていながらも、
原始から変わらない人の世について考えさせられる。

そんなことよりアヘンをキメたらどうなるか知りたい方にも情報たっぷり。
本書によるとバッキバキだそう。
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shokomotsu

Author:shokomotsu
無意味つづり>書庫モツ連鎖

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