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停電の夜に

停電の夜に (新潮文庫)停電の夜に (新潮文庫)
(2003/02/28)
ジュンパ ラヒリ

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東京に出てきて20年以上になるが、いまだに納豆だけは食べられない。
慣れ親しんだ土地でもこれだけはなじめないという習慣が1つくらいはあるものだ。

インド系アメリカ人の場合、をはいたまま部屋にあがるのがそれにあたるらしい。

本書の登場人物はみな【アメリカ】に住むインド系移民。
女性でもを運転できないと生活できないとか、鮮魚が手に入りにくいとか、
【ヒンドゥー】文化と勝手が違うことに当惑しながらたくましく生きる姿が描かれるのだが、
こだわりポイントが妙に日本人っぽくておもしろい。

本書のもう一つのテーマは倦怠期の男女関係。
主人公たちは共通して、出会った頃の輝きを失い、
ダラダラと付き合い続けている。

盛り上がってた頃は気にならなかったちょっとした仕草に
イラっとしたりするところも民族共通のようだ。

意地を張らずに流してしまえば長く付き合えるのかもしれないが、
本書に登場する男女の場合、なぜか歩み寄らずに別れてしまうパターンが多い。

インド系女流作家ということでちょっと気張って読み始めたが、
主人公たちの気持ちにすんなり共感。しかも短編集にしては
結構ずっしりとした読後感。

自分もあのときああしてたらどうなってたかなぁなどと、
人生を振り返りながら読んでしまった。
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趣味で相対論

趣味で相対論趣味で相対論
(2008/06/16)
広江 克彦

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「やっと会えたね」

辻仁成が中山美穂に出会った時に発したというこのセリフを
思わず投げかけたくなった。

相対性理論の本をいくつか読んでみたが、どうもモヤモヤした感じが残っていた。

「特殊」相対性理論のことはじっくり解説してくれるのに、
「一般」相対性理論のことになると急に歯切れが悪くなるのだ。

「専門的すぎるので…」「高度な数学が使われているので…」などなど。

そう、相対性理論には「特殊」「一般」の2つある。

アインシュタインが「特殊」を発表してから「一般」を発表するまで10年
「一般」のほうは難解すぎてノーベル賞審査委員も困り果てたというからすごい。
(アインシュタインは相対性理論ではノーベル賞をとっていない)

本書は、そんな「一般」の方を含め、相対性理論を
真正面から解説しようと試みたものだ。

ロケットで宇宙旅行するようなたとえ話はほとんどなし。
相対性理論の本質を理解するため、あえて数式ばかり。
その代わり、なぜその数式が出てくるのかをとことん教えてくれる。

そう、こんな本を探してたのだ。
これまでたまっていたモヤモヤを本書がすっきりさせてくれるに違いない。

運命的な出会いで読み始めたをのだが、結局モヤモヤ感はなくならなかった。
「一般」相対性理論、難しすぎ。素人が軽い気持ちで登る山じゃない。

でも本書のおかげで、かろうじてバーチャル登山はできたような気がする。
装備と体力がある人は、こういう道を登っていくんだなぁと…。


それにしてもアインシュタインは罪深い
彼は物理の風景をすっかり変えてしまった。

相対性理論以前は、世界がこうなっているだろうという直感が、
だいたい物理法則と一致していた。だから【ニュートン】は、
物理法則に神の意思を感じることができた。

ところが相対性理論は、直感では信じがたいけど理論的にはそうなってしまうという類いのものだ。
時間遅れるとか空間がゆがむとか言われてもピンとこないが、
水星とかGPSとかで実際に観測してみると、万有引力の法則よりも、相対性理論の方が
ピッタリ合ってしまうというからしょうがない。

敬虔なクリスチャンだったニュートンに対して、
アインシュタインが無神論者だったというのがなんとも皮肉というか残酷というか。
ニュートンは、神を否定した男に物理法則まで修正されてしまったのだ。

そんなアインシュタインも、量子論でカタキをとられてしまった。
また、相対性理論から導かれる奇妙な存在、ブラックホール
をめぐっても矛盾を突きつけられる。

神なき後の物理学は、仁義なき世界なのだ。

相対性理論を超えるブラックホール理論
これについてもドラマチックな出会いとバトルが展開されたようだ。



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