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幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語

幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語 (集英社新書)幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語 (集英社新書)
(2013/01/17)
平野 真敏

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ヴィオラ奏者の著者が、行きつけの楽器店でそれを見つけるところから物語は始まる。

それはヴィオラを一回り大きくしたような楽器で、
かといってチェロほど大きくはない。

演奏会でネタに使えるかなと軽いノリで買ったが、どうも気になる。

各パーツの細かい数字が書かれていて、
製作者の刻印には王室御用達の文字も見える。

いろいろ調べたいのだが、なにせ情報が少ない。
ウェブで情報提供を求めると、海外から一通の便りがきた。

それを突破口に、著者はこの楽器ヴィオラ・アルタの運命に迫っていく。

うーむ、ヴィオラなんぞ聴いたこともないのにグイグイ引き込まれてしまった。
その音色が聞こえてくるかのような文体は読むだけで心地いい。

偉業が必ずしも語り継がれない歴史の皮肉
その一方、価値あるものはいずれ誰かに認められるという必然

クラシック好きだけに読ませておくのはもったいない名著。
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日本の路地を旅する

日本の路地を旅する (文春文庫)日本の路地を旅する (文春文庫)
(2012/06/08)
上原 善広

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差別について考えるとき、いつもその距離感がわからなくなる。

小中高とすごした場所は、お世辞にも柄の良いところではなかった。
となりの区には全国でも有名なドヤ街があり、同和地区と呼ばれていた。

中学時代、自転車で渡し船を渡り、ドヤ街の近くまで遊びに行った。
ある場所までくると、そこでしか嗅いだことがない臭いが充満していた。

県境の川のそばには、明らかに川面よりも低い砂利道に、
長屋がいくても並んでいるような場所があった。

差別が身に降りかかることはなかったが、日常の感覚として差別というものは確かにあった。
それを利用した利権の話も大人たちから漏れ聞こえてきた。

実家が引っ越したため、もうそこに帰ることはない。
でも、ときどき無性に懐かしくなる。

自分が今街歩き的なことをしているのも、あの頃の記憶が原点なのかもしれない。
差別された経験もないのに差別の痕跡を求めるような真似をするのはどうもうしろめたい。

しかし、本書の「ただ故郷なんだ」という言葉で、
少しモヤモヤがすっきりした。

差別うんぬんはとりあえず置いといて、
失われた故郷にしんみりさせてもらっても
そんなにバチは当らないのかな。
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shokomotsu

Author:shokomotsu
無意味つづり>書庫モツ連鎖

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