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未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命

未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)
(2012/05/25)
片山 杜秀

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日本は日露戦争に勝って調子に乗り、
アメリカに無謀なケンカを売ってボコボコにされた。

これが一般的な日本の近代史の理解だろう。
でもそんな単純ではないんじゃないか?というのが本書の出発点。

一億玉砕、特攻と竹ヤリで本土決戦を戦えば
アメリカにも勝てると、当時の軍人たちは本気で考えていたのだろうか。

なぜ本土を空爆される前に手打ちにできなかったのだろうか。

そんな素朴な疑問に、膨大な軍事資料を駆使して答えようとしている。

実は、【プロ】の軍人たちは、もし総力戦になった場合、
アメリカには逆立ちしても勝てないことがわかっていた。

これは、戦力と国力を冷静に分析すれば誰でもたどりついた結論で、
例えば鉄の生産量は、1940年の段階でアメリカは日本の10倍近くもあった。

これらのデータは、しかるべき意思決定の場にも出されていた。
局地戦で勝利をあげて早めに手打ちにするのが身の丈にあった戦い方だと、
まっとうな軍人や政治家は主張していたのだ。

しかしこの考え方は主流にならず、
「国力に劣っていても奇襲と精神力で勝てる」という、
中学校の部活のような基本方針が公式に採用された。

一度決まった部活スローガンは、国際環境や戦況、軍事技術が【変化】しても
顧みられることがなかった。誰もがなんとなくダメっぽいと感じながらも、
誰も大きな路線変更を言い出せなかった。

もし、当時の【権力】者たちが、ツジツマ合わせをやめて、
データに基づく現実的な戦略をとっていたら、
どれだけの人命が失われずに済んだのだろうか。

馬鹿げたスローガンに振り回されることなく目的に合った意思決定ができるようになったのか?
それを可能にする社会や組織の仕組みを作れたのか?

これが、戦争で亡くなったすべての方々から突きつけられた問いなのだと思う。
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牛はどうやって草からミルクをつくるのか―ルーメンの秘密

牛はどうやって草からミルクをつくるのか―ルーメンの秘密 (新日本新書)

牛はしか食べないのになぜミルクを出せるのか?

ミルクはタンパク質、草は繊維質というイメージだが、
実は草にも同じくらいの割合でタンパク質が含まれている。

だけど、草のタンパク質ではミルクは作れない。
中身のアミノ酸に足りないものがあるからだ。

そのアミノ酸は、牛が自ら作り出すこともできない。

では誰がどこで作っているのか?

その答えは、4つの胃にあった。
人間の家畜である牛は、実は自分でも家畜を飼っていた、というのが答え。
人間も似たような家畜を飼っているが、飼ってる場所と目的が違うらしい。

詳しい謎解きは本書にお任せしよう。
それにしても、身近なところでいろんな生き物にお世話になっているものだ。

聖書VS.世界史

聖書VS.世界史 (講談社現代新書)聖書VS.世界史 (講談社現代新書)
(1996/09/20)
岡崎 勝世

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ここに西暦1300年頃の「世界地図」がある。

地中海とその周りの地域が地図の半分以上を占める。
地図の真ん中は聖地エルサレムだ。

アメリカ大陸はまだ発見されていないから存在しない。
アフリカの南半分、中国、インド、北欧は、地図の端っこ
へばりつく形でかろうじて登場する。

よく見ると、これらの辺境に奇妙な「人間」が描かれている。
口が小さすぎてストローでしか液体を飲めない「口細人」
長い耳にくるまって暖をとる「長耳人」
巨大な一本足で極めて速く走り、その足を傘のようにかざして休息する怪物

当時のヨーロッパ人の世界観は、自分たちが知る地中海周辺を一歩外へ出ると、
化物の棲みかが広がっているというものだったのだ。

空間と同じく、時間の観念も現代とは違っていた。

中世は、アダムとイブが「禁断の果実」を食べてから約7000年後、
ノアの洪水が起こってから約5000年後の世界だった。
類人猿はいないし、石器時代もない。ビッグバンのように、
アダムとイブがすべての始まりで、その前はないのだ。

近代科学の祖である【ニュートン】ですら、聖書に書かれた歴史は正しいと信じ込んでいた。

ところが、この世界観は思わぬ矛盾にぶつかる。【中国】の存在だ。
東西文明の交流が進むにつれて、どうやら中国がアダムとイブより古いらしい
ということがわかってきた。

これはまずい。

聖職者や神学者は、信仰心との板挟みに苦しみながら、ついに重大な方針転換をする。
アダムとイブ以外の歴史があること、この世がユダヤ・キリスト文明だけではないことを認めたのだ。
これが1700年代後半のこと、たいして昔のことじゃない。

西欧文明の自己チューさが表れているとも言えるが、
他者との【関係性】の中で、時間をかけてでも価値観を
ひっくり返せるのもまた、西欧文明のすごいところなのだ。

それにしても、歴史の本がこんなにエキサイティングだとは。
細かい年代や人名はすっとばして読んでも全く問題ない。
このリアルストーリーは一度読み始めると止まらない。
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shokomotsu

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