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フランクリン自伝

フランクリン自伝 (岩波文庫)

「いろいろ大変やったけど、マジメに生きてればなんかええことあるわ」

今年で73歳になるおかんが上京して瀬戸内寂聴ばりの格言を残して帰っていった。
3人の男子を育てながらリウマチで二度手術を受けた人の言葉には妙に重みがある。

で、格言と言えば、フランクリンである。

フランクリンはアメリカの独立宣言を起草した人物。
100ドル紙幣の肖像画で見たことある人も多いだろう。
凧にカミナリを落とした実験でも有名。

実はこの人、格言入りカレンダーの考案者でもあるのだ。
そう、実家のトイレにある、あれだ。

フランクリンは幼い頃印刷所の見習いを始め10代で家出、
ハタチそこそこで独立して印刷所を開業、新聞や公文書、紙幣などの印刷でをなした。

中でも一番儲かったのが格言入りカレンダーというから、
現代まで続く【ビジネス】モデルを確立した人と言えるのだ。

この自伝もさながら格言のデパート、ラストはある老人が
カレンダー格言をつなげて若者を諭す大喜利で締めくくられている。

【アメリカ】版二宮金次郎か?と思わせる説教臭さだが、
イギリスからの独立を勝ち取っただけに説得力がある。

フランクリンは何か実現したいことがあると、
すぐさま論点整理ソリューションを記した文書を印刷して配布した。
今で言えばソーシャルメディアの戦法である。

そのスキル行動力が歴史を変えたということか。

で、おかんである。

リウマチでしんどいときにどうして前向きにいられたのかと聞いてみると、
珍しく目をうるわせておかんは答えた。

「人にかわいそうに思われるんがイヤやねん」

ノー天気やからなぁ、ぐらいののんびりした答えを期待してた自分はハッと気づかされた。

何かをなしとげるのに必要なのは、スキル性格じゃなくて、
まして格言でもなくて、まず気概なんだ。

おかん、偉大なり。
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ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業
(2010/10/22)
マイケル サンデル

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息子につらくあたってしまい凹んでるときふとこの本を読んだ。

「正義」の話らしい。
わが子にもちゃんと向き合えないのに「正義」もへったくれもないもんだと思いつつ、
延べ1万四千人が履修したという名講義を聴いてみることにした。

救命ボートに取り残された4人。
うち1人が衰弱して死にそうだ。
残りの3人が共謀してその1人を殺して食べた。
この行為は許されるべきか?

こんなとっつきやすい話から、「正義」とは何か?「善」とは何か?を議論していく。
ベンサム、ジョン・スチュアート・ミル、ジョン・ロック、カント、ジョン・ロールズ、アリストテレス・・・
教科書に出てきたらすぐ眠くなってしまうような哲学者の説を
身近な例で理解できる仕掛けになってるのはすごい。

【人類史】を通じて、哲学者たちが「正義」について議論を積み重ねてきたことがわかった。
この白熱講義でもそれを現代の問題に照らし合わせてさんざん議論している。
けど、はっきりした答えは出ない。

つまるところ「正義」に普遍的な原理やハウツーは存在しないということのようだ。
かといって自問自答から逃れられるわけでもない。

ふーん。子育ても似たようなもんだ。

この袋小路に対してサンデルさんは、保証はどこにもないけど
【関係性】を持ち続けることが大切だと説いていた。

『それを無視するのではなく、それらに関わり、関心を向け、ときには挑み、競い、
そしてときには、耳を傾けて学ぶことだ』

息子とちゃんと向き合わなきゃな、と思った。

中国共産党の経済政策

中国共産党の経済政策 (講談社現代新書)中国共産党の経済政策 (講談社現代新書)
(2013/02/08)
柴田聡、長谷川貴弘 他

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一昔前に香港を旅行すると、「中国農村ツアー」なるオプションがあったらしい。

「国境」を越えて中国に入るとのんびりとした農村が現れ、
ちょっとしたタイムスリップ感が味わえたとのことだ。

その農村があった場所は今、深センという大都市に生まれ変わっている。

「農村ツアー」時代、中国は下から数えた方が早いくらい貧しい国だった。
それが今や世界第2位の経済大国だ。

この中国パワーの源は何か?日中外交のエキスパートによる本書がそのヒントになるかもしれない。

その1 競争社会

共産党の一党独裁で身分は固定と思いきや、共産党は党員数だけで8千万人!
トップにのぼりつめるには激しい権力闘争を勝ち抜かなければならない。
最近起きた重慶事件のように、トップに近い地位でも一寸先は闇である。

その2 社会の裾野が広い

セレブから未開民族までが同居する国。
元々革命でできた国。労働者や少数民族の暴動は日常茶飯事。
ひとつ政策を間違えると政権がひっくり返る緊張感を常に抱えている。

その3 首尾一貫

中国が経済重視の政策に転換したのは1978年
以後30年以上、指導者が代わってもその路線を継続している。
しかもこの路線変更はなんとなくそうなりましたというものではなく、
時の指導者(鄧小平)がはっきりと宣言したものだ。

トップに【権力】を集中させ、リーダーを巨大な人材プールから選別する。
国家の方針は用意周到に決め、一度決めたら10年20年では改めない。

うーん、【中国】最強じゃね?

暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う

暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う
(2010/12)
福田 ますみ

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ロシアのニュース映像で忘れられないシーンがある。

2000年に潜水艦クルスクの沈没事故があったとき、一人の女性が政府の会見会場で抗議を始めた。
すると、背後から軍服を着た人物が近づいて、女性に注射器を突き刺したのだ。
女性はそのまま軍人ぽい人たちに囲まれて見えなくなってしまった。

公権力によって市民が強制的に薬物を投与されるとは!

それから10年以上経った現在でも、ロシアの軍事国家っぷりは変わっていない。

【国家】に逆らう市民やジャーナリストがバタバタ殺される。
犯人は見つからないか、見つかってもまともな裁判は行われない。
ほとんどの【メディア】は政府系企業に乗っ取られ、大本営発表しかしない。

そんな中でも、命をかけて事実を報道しようとしている人たちがいる。
それが本書で紹介される独立系新聞、「ノーバヤガゼータ」だ。

1993年の設立以来3名の記者たちが暗殺され、本書の取材中にさらに3名が殺された。
それでも彼らは報道をやめない。

【ソ連】時代、地獄のような粛清の中でも「デシデント」(異論派)と呼ばれる反体制派がいたらしい。

『有名無名のデシデントたちこそ、当局による弾圧に屈することなく魂の自由を貫いた本当の自由人だった。
その自由な精神が、「ノーバヤガゼータ」のジャーナリストたちに脈々と受け継がれている』

寒さや圧制にじっと耐えて救世主を待つ、そんなロシア人のイメージがガラっと変わる一冊だ。

資本主義が嫌いな人のための経済学

資本主義が嫌いな人のための経済学資本主義が嫌いな人のための経済学
(2012/02/09)
ジョセフ・ヒース

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タクシー運転手に効率よく稼がせるにはどうすればよいだろうか。
雨の日は利用客が多いのでたくさん稼げるが、晴れの日は客待ち時間が長いので実質的な時給は安い。

ということは、給料を歩合制にして労働時間を自由にすれば、運転手たちは自発的に雨の日に残業するようになり、晴れた日はさっさと切り上げるようになるだろう。それが短い時間で高く稼げる方法なのだから。

ところが、ニューヨークのタクシー運転手を調べたところ、全くの行動をとった。雨の日は早めに切り上げて、晴れの日はダラダラ残業をしていたのだ。

実は、タクシー運転手たちは自分なりに1日の売上目標を決めていて、雨の日はその目標に早く到達するから早上がりしていたのだ。

政治的に右寄りの人は、自由競争や自己責任を重んじるが、【競争】が最適な結果を生むとは限らない。

今はやりのフェアトレードコーヒー。コーヒー豆の価格下落から途上国を救うために、先進国で高く買い上げるというものだ。

コーヒー労働者に適正な賃金を!というお題目は立派だが、フェアトレードの結果どうなったかというと、実際は価格がさらに下落してしまったという。

途上国の農場は、本来なら安くでしか売れないはずのコーヒーを高く買ってもらえるから、もっとたくさんコーヒーを作るインセンティブが働く。その結果、ただでさえダブついていたコーヒーがさらに供給されて価格が下がる。

フェアトレード業者の中には、大量の在庫をかかえてしまってコーヒーを廃棄するところもいたようだ。

もともと価格が下落していたのは供給過剰だったのだから、やるべきなのは価格を上げることではなく、単純に生産を減らすことだったのだ。

政治的に左寄りの人は、自由競争を安易にねじ曲げてでも平等を実現しようとするが、その結果不平等が拡大することがままある。


本書は、私たちが陥りがちな経済学上の誤りを、右寄りの人と左寄りの人に分けて正してくれる。

哲学者である著者は、もともとナイーブな左派だったらしい。経済学を学んで自分の誤りに気づき中道寄りに改めた。だからだろうか、左派に対する批判の方が口調が厳しい。

あとがきの言葉は私たちにシビアな現実を突きつける。

『どんなにばかげた、不公平な状況にも、それが続くには理由がある』

世の中は【複雑】だ。それを変えるにも複雑な頭が要りそうだ。
プロフィール

shokomotsu

Author:shokomotsu
無意味つづり>書庫モツ連鎖

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