ケプラー疑惑―ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録

ケプラー疑惑―ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録

ケプラーと言えば、望遠鏡のない時代に肉眼観測だけで、
惑星が太陽の周りを回る法則を「発見」した偉人である。

この法則は、【ニュートン】の万有引力の法則によって正しいことが証明された。

科学史における文句なしのスーパースターである。

そんなケプラーの偉業が、盗作によって成し遂げられたのではないか、というショッキングな内容。

しかも、師匠を殺して観察記録を盗んだというから穏やかじゃない。

ケプラーはそのイメージとは裏腹に、思い込みが強く執念深い男だったらしい。

彼が記した『宇宙の神秘』では、6つの惑星(当時は土星までしか発見されていなかった)が
正立体
(正四面体~正二十面体の5つ)の関係で配置されていると主張した。

この説は当時の天文学の巨匠、ティコ・ブラーエ様
笑い飛ばされてしまった。
ティコ・ブラーエ様はデータ至上主義だったのだ。

ケプラーは自らの正しさを証明するためにこの巨匠から
観察記録を奪わなければならないと決意した。
それを実行に移したとき、皮肉にも自説と全く異なる法則発見をしてしまうのである。

思い込みと言えば、遺伝の法則を発見したメンデルの観察記録が
恣意的に選ばれたものであることを、統計学の巨匠フィッシャー様
指摘している。

フィッシャー様もまたデータ至上主義の人である。

ケプラーの希有なところは、観察記録(しかも他人の)とにらめっこをして、最終的には宇宙の真理にたどりついたところだ。

メンデルもまた、観察記録(彼の場合自分の)から生命の真理にたどりついた。

思い込み
と、冷静な分析力と、そして執念
これが【人類史】を変える3条件。

巨匠なんぞしょせん引き立て役なのだ。
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ビール大全

マンガの描き方―似顔絵から長編まで

とある古本市で入手。

世界のビールをカタログ的に紹介するだけの暇つぶしアイテムかと思いきや、
一気に読み切れる面白さだった。

 無人島でビール作りに挑戦した『ロビンソン・クルーソー』
 イギリス人のビールの飲みっぷりに驚嘆したベンジャミン・フランクリン
 オクトーバーフェストで有名なミュンヘンでやはりビールの飲みっぷりに驚嘆した斉藤茂吉
 伊豆七島で『みさごずし』を食した源為朝、などなど

ビールの製造法やジャンル(おおまかにはエールとラガー)、国ごとの歴史などの小難しい話は
小話の合間にうまいこと挟まれていて、すぅーっと頭に入ってくる。

何はともあれ、登場するビールがいちいち旨そうで、登場するパブに今すぐ駆け込みたくなる。
今年の夏は世界のクラフトビアが味わえるフェスへ行くべし。

マンガの描き方―似顔絵から長編まで

マンガの描き方―似顔絵から長編まで

【相談】
絵がまったく描けません。
最近書いた絵がこれです。



娘の似顔絵です、一応。
保育園で描かされました。残酷な課題だと思います。

こんな私でもマンガが描けるようになるんでしょうか。


【回答】
一枚の紙と鉛筆を用意してください。

いま望んでいることを文字で書きなぐってください。
その希望のどんな部分でもいいから、ちょっとに描いてみてください。

絵が苦手だって丸や四角ぐらいは描けるはずでしょう。
そこに目や口を描き足して、フキダシやハートで気持ちを表現してください。

それで完成です。


マンガは落書きから始まります。
他人に見せることを気にしないで、自分が描きたいものを描けばいいんです。

棒人間、らくがお、パラパラ漫画、なんでもいいから
あなたの描いたものを娘さんに見せてあげてください。

もし笑い飛ばされたら大成功です。それがマンガというものです。

君は誰に殺されたのですか―パロマ湯沸器事件の真実

君は誰に殺されたのですか―パロマ湯沸器事件の真実

息子と1か月ほど連絡がとれない。

プロを目指してバンド活動をしている息子。親思いのやさしい子だが
少々向こう見ずなところがある。

前にも音信普通になったことがあった。
そのときは先輩宅に転がり込んでいたとかでケロっとしていた。
今回も取り越し苦労に終わるとよいのだが・・・

念のため息子の友人に家を見に行ってもらうことにした。
その友人から電話がかかってきた。

「あの、お母さん、ごめんなさい。・・・死んでました」
「あー?死ぬって、あの、死ぬこと?」
「死んでるんですけど・・・、大丈夫ですよ」
「ギャー!!死んでるけど、大丈夫って・・・、どういうこと!?キャー!!誰かぁ!!」



書き写すだけで胸が締めつけられるシーンだ。

息子の死亡原因はパロマ社製湯沸かし器不完全燃焼による
一酸化炭素中毒だった。湯沸かし器には不完全燃焼を防止する
仕組みがあったが、修理業者が不正改造をしていた。

警察監察医務院は死因が一酸化炭素中毒であることを
把握していながら、捜査をせず遺族にも「心臓発作」としか伝えていなかった。

パロマ社は、不正改造が横行していること、それに起因すると思われる
死亡事故が多発していることを把握していた。修理会社には不正改造を
しない旨の通知をしていただけだった。

わかってみれば単純とも思える原因だが、これが明らかになるまで10年かかっている。

本書の母親が息子の死に顔を見てやることができなかったことを悔やんで、
警察に写真が残ってないか照会したことがきっかけで、死体検案書に「一酸化炭素中毒」
と書かれているのを発見したのだ。

両親の執念ともいえる再捜査の訴えに警察が動き、経済産業省の記者発表、
大規模な製品回収騒ぎとなった。

この事件をきっかけに消費者の安全を守るための法改正が行われ、
消費者庁の発足にもつながった。

心を痛めることに、この両親は息子の死後離婚している。
3人の息子と悩みも多くも幸せな日々を過ごしていたに違いない。
亡くなった息子さんも、その生活も決して戻ってこない。

人の命を預かる製品。それに関わる【プロ】の責任はやっぱり重い。

空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ(講談社文庫)

Mくんまたやっちゃったの?

こんどはなに?
え?ウソついちゃった?

そうなんだ。前は人が2人も死んじゃって、社員が逮捕されて、大変だったよね。

全然懲りてないじゃない。

え?今回はちがう?前みたいに人は傷つけてない?そういう問題じゃないでしょ。

二度とやりませんって約束したんじゃないの?っていうかこれで3回目だよね。

え?三菱の魂百まで?ダジャレ言ってる場合じゃないよ。

え?仏の顔も三度まで?全然反省してないみたいだね。

そんなことだからNくんの舎弟にされちゃったんだよ。
あんなにバカにしてたNくんのだよ。
下克上、ていうかMくんの場合身から出た錆だね。

Nくんさあ、ずーっとこのチャンスを待ってたみたいよ。

温室育ちと違ってさあ、喰うか喰われるかの世界で生きてるんだよ。

今回の報告書になんて書いてあったと思う?
どうせちゃんと読まないだろうから代わりに読んであげるよ。


自動車を製造して販売することは、単なる利益追求のツールではない。
ユーザーも、開発する者も、製造する者も、販売する者も、みんながワクワクする
自動車をこのように送り出すこと、それこそが自動車メーカーとして忘れてはならない
矜持なのではないか


自動車メーカーとして目指すべき理念が存在し、
その理念が経営陣や一人ひとりの役職員に共有されてさえいれば、その理念を台無し
にするようなことは誰もしない。大好きな自動車にをつくことはないのである。



え?ピンとこない?
ダメだこりゃ。
プロフィール

shokomotsu

Author:shokomotsu
無意味つづり>書庫モツ連鎖

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